「真夜中の缶ビール」伊達Side




大好きな人と言われて思い付くのは?

深夜のテレビ番組。そんなことを問い掛けてきた。
浮かぶ相手はいつも決まってる。

彼だ。

いつも嫌々俺の尻拭いをしてくれる彼だ。
ウザイと口癖にする彼だ。嫌われてるのかな…。
そんなことも、心配したくなる。彼はいつもそんな態度をとる。

班長という役職ながら自由奔放に出来るのは、彼のおかげだ。
いつも尻拭いをしてくれる。だから、俺のスタンスで出来る。

彼の眼差しが好きだ。
真夜中の缶ビールは本音を簡単に出してしまう。
好きなんだ。それが正直な気持ちなんだ。

随分酔ったらしい。
ソファに横になる。

ふあふあと考える。

彼は、俺をどう考えているのだろう。
ウザイが口癖の彼。
嫌われているのかな。


でも、自分の為に仕事の穴埋めをしてくれている、
彼の優しさを知っている。律儀なところを知っている。だから…


好きなんだ。



大好きな人と聞かれれば、思い浮かぶのは彼。


側に居たいのは彼。
抱きしめられたいと、思うのは彼。
キスしたいと想うのは、彼。
抱かれたいと想うのは、彼。


彼だけ。

彼はこんなに俺を悩ませる。
それだけ捕われている、彼に。
好きで、仕方がない。


何で、こんなに好きになってしまったのだろう。
それは、あの顔付きと態度と性格に隠れた、
確かなあったかい優しさを人に対する愛を持っている人だと知っているからだ。

酔いながら、
ソファでうっすらと夢を見た。


そこには、裸の彼が居た。
キスをしてくる。
甘くて、深くて、そしていやらしい。
優しく俺の身体に触れる。
気がつけばお互いが裸だった。
優しく彼が笑う。
愛していると言われている気分だった。
幸福で満たされる。

愛してる。
愛してる。
愛してる。


すべては、夢だった。
俺の願いそのものの彼はそこには居ない。



男に抱かれたいなんて、
男にキスされたいなんて、
男にすべてを捧げたいなんて。


違う。男とか関係ない。
俺は、君だから好きになったんだ。


すべてを捧げたいと想うんだ。
こんな俺を、君は口癖通り嫌うのかな。

どこまで行けば、答えが出るのだろう。
答えが出る前に、愛が溢れておかしくなりそうだ。




愛してる、来栖。





こんな俺を許してくれ。



読んでそのまま、片想い編。
こう、お互いが大好きなんだ〜って気持ちを、
ふれ合う事じゃなくて、それ以前で表現したかった。
二人には常にラブラブでいて欲しいと思う管理人。