「今夜あなたとベットの上で」

匂いがしっかりとする。
この人の匂い。
しっかりと記憶する。
体が覚えている。
だから、感じるほどに心が熱くなる。

「いおり・・・」

呼ばれるほどに喜びが押し寄せる。
裸の彼は私を優しく抱きしめた。
愛されている実感が
生きている実感だった。

お互い深い傷を負っていた。
それが分かっていたから、お互いを思った。
求め合った。傷を舐めあうように、失った物を埋めあうように。

こんな私を誰が知っているだろうか。
学校ではまじめで仕事の・・・成瀬校長の言葉を借りれば
まさに仕事の鬼・・・だと自分でも思う。
そんな私のこんな姿を。

ホテルのベットの上で男同士裸で抱き合う・・・。こんな私を。

誰かにばれるのでは?という恐怖心はあった。
怖かった。それだけは絶対に阻止したいと日々を過ごした。
でも、恐怖心と一緒にこの人のそばにいたいとその思いが強かった。

この人の過去を知ったとき、失った事に苦しんでいる事を知ったとき
そばにいたいと感じた。それを知る前から、お互いが惹かれあっていたと思うから。
もっとそばにいたいと願った。だから、今日、私はここにいる。

「なるせ・・・こうちょっ・・・」
「校長はやめようよ、こんな時ぐらい」
「でも・・・」
「誠一郎ってよんでよ」

抱かれながらそうささやかれる。
耳が熱くなる。赤くなっていないだろうか。そんなことを気にした。

「誠一郎・・・さん・・・・」
「初めて下の名前で呼んでくれたね。うれしい」
「・・・・・・・」
「顔赤いよ」
「!!!」
「やっぱりかわいいんだから」

肌と肌が触れ合う。
しっかりと、彼の形を体が感じた。
これか、成瀬誠一郎という男。
今、このベットの上にある物が愛であると信じたい。
そう・・・もう十分にこの人を愛していた。
私の中にこの人への思いがあふれていた。

愛しています・・・・。

はじめは考え方が違う相手でぶつかっていた。
でも、自分と違う相手だからこそ、惹かれていった。
そして、過去を知った。本当は苦しみながら、今この小学校で
自分なりの答えをだそうとしているこの人に惹かれた。
だから、私は喜んでここにいる。

幸せなんだ。こうしていることが。
この人から、愛されていると実感できる今が大切なんだ。

肌のぬくもりを知っているのは私だけ。
この人の体の美しさを知っているのは私だけ。
この人のこんな姿を知っているのは私だけ。
この人の学校では考えられない甘い目つきを。

独占欲といえばいいのか。

「伊織?」
「何ですか?」
「このままじゃ俺つらいんだけどな」
「・・・・」
「顔赤くしないで、伊織もこのままじゃつらいだろ」
「・・・・・・はい・・・・・」

強くキスをされる。
そのあと、キスが下がり体を丹念に愛撫する。
幸せでたまらなくなる。

あなたの痛みが、私によって少しでも和らげばいい。
あなたが安らかに眠れればいい。
そのためなら私はあなたの思いどおりになる。
そう思っていた。

下半身のそれをくわえられて理性も飛び始めた。
「誠一郎さん・・・せい・・・いち・・ろう・・・さん・・・」
「くちゅ・・・くちゅ・・・」
「あぁ・・・・あっ・・・あぁぁぁぁ・・・・・・」
「伊織?射れていい?俺もう限界」
「・・・・・来て・・・・ください・・・・・・」

ぐっと力を入れて、誠一郎さんが私の中に入ってくる。
私の中に誠一郎さんを感じる。大きくなる。
はぁ・・はぁ・・・気持ちいい・・・・・。

「腰動かすよ?」
「・・・はい・・・・」

強く腰が動く。
突いてくる。
うれしくて・・・・うれしくて・・・・。
そんな時には、理性が飛んで涙があふれた。

「伊織泣いてるの?そんなにイい?」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「そっか、そんなに気持ちいいか。かわいいな」

頂点は近づいていた。

「伊織、イくよ。俺限界」
「・・・・早く・・・・」
「伊織も欲しがりだなぁ」
「・・・・はっ・・・やぁ・・・・・くぅ・・・・・」
生理的な涙が止まらなくなっていた。
「こういう時の泣く伊織好きだな・・・」

「イくよ」
私のそこを掴んで、二人同時に果てた。
「くっ・・・はぁぁ・・・あっ・・・・・」

二人とも荒い息を整える。
汗をかいた顔を、髪を優しくぬぐってくれた。
そして、キスをくれた。

「愛してる、伊織」
「・・・・誠一郎さん・・・・」
「伊織は?」
「私も・・・愛してます。誠一郎さん・・・・」

私たちはこうやって愛を確かめ合う。
肌をふれ合いながら、お互いの存在を確かめ合い
自分の存在を確かめる。お互いが、自分が存在した証のように。

ベットの上での私たち二人の間には、
何にも代え難い愛情があふれていると私は信じたい。
それだけ、私はこの人を愛しているし信じているから。

この人を、ただ・・・愛しているから。

 

 

END

 





えっと、まず「スクール!!」は他にも書いていますが
別物と考えてくださいまし。つながってません。
ただ、ラブラブなのはつながってます!
二人の愛は永遠です。これ書いてて、初めて校長の名前が
「誠一郎」だって知りました(笑)
ホントは眠りたかったんですけど、深夜の24歳女の思いつき18禁です。