「きす」
うん…あっ…ひぃやぁ…あぁ…。
何でこんなにこの人はキスが上手いのか…。
気持ちいい…どうしようか…また…この人のペースに流されてる…。
「やめてください…成瀬こうちょっ…うっ…」
「何で?こんなに可愛いのに」
「誰かに見られたら…第一学校でこう言うことは…」
「もう、みんな帰ったし大丈夫だよ」
「もしかしたら、戻って来るかもしれないし…」
「心配性だなぁ、伊織は。じゃあ、家に行きたいなぁ。伊織の家」
「…バカ言わないで下さい。私は書類をすませたら帰ります。第一明日も仕事ですし…」
「仕事なかったらいいんだ?」
ニヤニヤと嬉しそうに俺を見た。
胸の奥が熱くなった…。
結局…好きなんだ…。
10時を回った校内。
誰もおらず静まり返っている。
その分…この会話…そしてキスの濃密な音がよく響いていた。
誰かに聞かれでもしたら…そんな不安が常にあったが、
やっぱりこの人はサラッと爽やかに笑って流してしまう。
「伊織、本当に泊めてよ」
「…………」
「何もしないからさ」
「…………」
「そばに居させてよ」
明日、また会えるというのに…。
「………いいですよ………」
自分も甘いと思う。
ただ…そばに居たいのは同じだった。
明日、会えるとわかっていても。
桐原のマンションまで二人でタクシーに乗って向かった。
食べ物は、冷蔵庫に二人分あったと思う。この人用の日本酒もある。
私はビールしか飲まないから、本当にこの人用の酒。
ドアを閉めた途端、キスをされた。
さっきもあれだけ、キスをしたのに…。
「何もしないんじゃ…ないんですか…」
「だって伊織が可愛いから」
「………」
「おいで、伊織」
やっぱりこうなると思った。
いや、望んでいたことかも…。
「伊織…どうして欲しい?このまま、寝る?」
私を見つめて、そう問い掛けて来る。
「抱いて…ください…」
頭の片隅で、明日の事を考えていたが、身体全部がこの人を求め、
この長くなるだろう夜を想った。
「キス…して…ください…」
「いいよ」
この人の唾液は甘く思えた。甘いキス。心地好いキス。愛のキス。
幸せが溢れていた。
単発モノです。
まぁラブラブに付き合ってる
ラブラブな二人って事で(笑)