「野々村係長がにおいます」
野々村係長は、癖の強い…あくの強い部下当麻、
瀬文を心配するあまり重いため息を無意識に何度何度しながら廊下を歩いていた。
当麻くん、
瀬文くん、
何を考えているか私には分からないが、何だか危ないことに関わっている気がする。
親心といいのか、心配だ。
だからと言って、
定年退職を10年も延長した私に出来ることなどない。
刑事と呼べたのは昔の話し。
今ではただの年寄りだ。
そんな悩みをぐるぐると回しながら、フラフラと力無く野々村係長は廊下を歩く。
「においます」
「はい?」
女性の声が聞こえた。
なんだ?
「においます。においます。野々村係長においます。」
「きみ!」
と振り向くと、そこには懐かしい顔があった。
「柴田くん!!」
懐かしい懐かしい顔だった。長い刑事人生、濃厚な日々を共に過ごした元部下。
今では、私をとうに通り越してキャリア組として出世を果たしている。
「柴田くん久しぶりだね。元気だったかい」
「はい、野々村係長もお元気そうで良かったです」
「今日はどうしたんだい?ここに居るなんて珍しいね」
私たちの居場所に、彼女のような出世コースの人間がいるのは不思議なことだった。
「野々村係長に用がありまして」
「?…私に…かい?」
戸惑って見せると、彼女は片手を出し握手をする姿勢をした。
「?」
釣られて私も手を出し握手をする。
「係長も定年を10年延長して刑事を続けていらっしゃるんですから、お体に気をつけてくださいね」
「あっあぁ…うん、ありがとう。柴田くん」
すると、彼女はもう片方の手で私の手を包み込むように握手をした。
すると、彼女は私の耳元に顔を近づけた。
「!」
彼女の言葉に私は驚いた。
手を離し、彼女は言う。
「では、私は捜査会議がありますので」
「あっあぁ…がんばってね」
「はい、ありがとうございます」
背を向ける彼女。
歩きはじめる彼女。
私は思い出した。
「柴田くん!」
「はい?」
「真山…くんは…元気かい?」
ほんの少し沈黙が走る。
「元気…だと思いますよ!」
彼女は笑顔でそう言い去って行った。
「…」
握りしめた手の中にそれはあった。
当麻くんや瀬文くんを私なりに助けてやれるかもしれない。
野々村係長は、それを握りしめ自分の居場所に帰っていた。
End
元は「ケイゾク」柴田&真山コンビの大ファンです。
「SPEC」はずーっと見たい見たい思いながら仕事で見れなくて。
設定等の知識がかなり微妙です。すみません。
時間が経つにつれて、当麻&瀬文コンビにはまってきました。筋肉バカ&餃子女最高w
野々村係長の「柴田を想像させる発言」には興奮しました(o^∀^o)
柴田はあの後超出世。だけど、我が道を行くタイプの捜査官で周りに毛嫌いされるが1番解決して、またどんどん出世。
真山さんは、微妙。映画「ケイゾク」のラストを考えると二人は寄り添っていて欲しいし、
でも真山さんが素直じゃないと思う(笑)なんだかんだ出世した柴田の下で働いてるとか?なさそう(笑)
ベタベタではないけど、無関係ではない、二人なりの寄り添い方で
仲良くやってるんじゃないか?こまめに連絡とるタイプじゃないから、元気かもよくわかんない。
でも、寄り添う相手。
真山さんもどっかで刑事していて欲しいなぁ。
つか、浅倉もマインドコントロールというスペックを持ち合わせた超人だったってことか?
渡部さんと加瀬さんって「重力ピエロ」で共演してましたね。随分たってから気づきました。
最近の瀬文さんが真山さんに見えてしかたがありません(笑)
ブラックな神木くんから目が離せない
とにかく、読んでくださりありがとうございました。ではでは〜☆